Hinata de Ringyo in Miyazaki
自分の好きなことを仕事にしたいという想いを大切に、これまでの人生を過ごしてきた健史さん。
30代半ばに、こだわりのマイホームを購入。そのころから次第に、これまでとは生き方の優先順位が変わり、家族のために一生続けられる仕事を探すことに。そして40歳を目前に選んだ仕事が『林業』
現在勤務する林業技術株式会社は、主に国有林の造林業務を行う会社。この『造林』という仕事には、大きく5つの仕事がある。一昨年の12月に入社した健史さんに、これまで経験した仕事内容を聞いてみました。
まず、最初に経験したのが、山に新しい杉の苗を植えるために行う『地ごしらえ』。通常12月ごろから行う作業。刈払い機を使い、山の裾野からみんなで等高線上に雑草などを刈っていく。これは苗木の生育環境を良くするための作業。
林業には『上下作業禁止』という言葉がある。林業では通常、数人で構成される班単位で作業を行う。そのため上で作業する人からの落下物が、下で作業する人に危害を及ぼすことを避けるため、林業では同じ高さ(等高線上)で作業を行うことが基本となる。仕事をする上で最初に学んだ基本の一つ。
二つ目は、冬から春先に行った『植えつけ』。この会社では苗袋に100本ほど入れた裸苗を担ぎ、それを一本一本植えていく。与えられた本数を自分のペースで植えていく作業。基本は1日に200本程度を、約2m間隔で植えつけていく。
三つ目は、5月から10月くらいにかけて行った『下刈り』。これは植えつけ後1年を経過した現場で、植栽木の周りで成長してきた雑草木を刈る作業。この作業は杉の成長を見守りながら、トータルで約5年間繰り返す。
四つ目は、秋に約1ヶ月程度行った『除伐』。この作業は杉の生育を阻害する雑木を伐ったり、途中で曲がったり成長が悪い木を伐る作業で、1、2回行う。
『植えつけ』と『下刈り』の間に、1ヶ月程度『間伐』の作業も経験した。これは、一定期間成長していくと、植栽木同士がそれぞれの生育を阻害するため抜き伐りをする作業。20年生〜40年生の時に2回行う。
入社後、約1年半の経験を順を追って教えてくれた健史さん。もちろん不慣れなことの連続で苦労はしたが、和気あいあいとした会社の雰囲気にも助けられ、先輩たちの力を借りて2年目のチャレンジが始まっている。
現在、『緑の雇用』事業におけるキャリアアップ支援を受けており、定期的に入社年度が近い県内他事業体の仲間たちと研修を行う機会がある。同じ時期に林業を始めた仲間たちから、自分が経験していないことを聞ける大切な交流の場。そこでの会話が刺激となり、自分のモチベーションとなっている。
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Hitotsuba Beach in Miyazaki
『趣味はサーフィン』というフレーズが象徴するように、宮崎でのスローライフに欠かせないのがプライベートと仕事の両立。
林業転職後は、規則的な生活が送れるようになった。基本的には16時に仕事が終わるので、特に夏場は仕事終わりに自宅近くにあるサーフスポット『一ッ葉浜』で、2時間程度波乗りを楽しむことができる。また週末は、転職後に購入したお気に入りのジープ『スズキジムニー』にボードを乗せ、自宅から10分程度の一ッ葉浜で休日を過ごす生活が実現!
もちろん家族との時間も忘れてはいません。愛する娘さんについて、「活発なところが自分譲り」と目を細める健史さん。家族と山でキャンプをするのが当面の目標だそうで、最近はちょっとずつキャンプ道具を揃えている。まさに、宮崎の『山』と『海』が生活の中心に。
若い頃から憧れていた『ケリー・スレーター』が、2年前に宮崎で行われた世界大会に出場。サーファーには神様的存在として知られるケリーを、地元の宮崎で間近に見ることもできた。
時間にも心にも余裕ができつつある今、より一層サーフィンの腕を磨き、色んな大会にもチャレンジしたいという。
そんなサーフィン環境に恵まれた宮崎で、『林業』と『サーフィン』のスローライフを実現した健史さん。これからも、宮崎の大自然に囲まれ生きていく!
最後に、これから林業を目指す人に。「林業は地道な仕事という反面、一度として同じ環境はなく、新鮮な気持ちで大自然と向き合いながら一日を過ごせる仕事です。刻々と移り変わる自然を体で感じ、それを楽しみながら仕事ができる。それが林業です!」。みやざきの青空のもと、笑顔が輝く平田健史さんでした。
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