Hinata de Ringyo in Miyazaki

抜屋林業有限会社

佐藤佑樹さん 高千穂町出身 31歳

 男の子3人と女の子1人という6人家族のパパ。
高校卒業後は地元の寿司やに修行に入り、寿司職人を目指す。

 約6年間の修行を積んだ後、店が不景気のあおりを受けやむなく転職。ハローワークで地元で働ける林業の仕事に出会い、現在の会社に2017年3月に入社。

 

 会社では「造林」「素材生産」の2つの事業を手掛けており、取材日は、造林部門の重要な作業の一つであるコンテナ苗の植付け作業日。

 これまで、造林分野ではコンテナ苗の植付けや下刈作業、素材生産分野ではチェーンソーによる伐採やフォワーダ作業などを中心に経験。

 最初のころは、山道でのフォワーダ作業は怖さが先にたって、なかなか思い通りには作業ができなかったが、
経験を重ね、少しずつグラップルやプロセッサも乗りこなせるようになってきた。

 いつもは8時から17時まで現場で作業。1班3~4人で1現場の作業を行う。

 「造林事業」におけるコンテナ苗の植付け作業は、一般的には1日200本程度といわれる作業だが、環境が整った場所だと1日で500本(2人コンビで1,000本)植えたことも。

 事業比率としては圧倒的に高い「素材生産事業」において、最近は多くの作業を重機で行うようになってきた。

 朝は、まず重機のメンテナンスから始まり、それから重機に乗って伐採をしたり材を運んだり、重機作業を中心に日々作業を行っている。 

 会社では「造林事業」と「素材生産事業」を総合的に行っており、伐採から再造林までの作業を経験することができる。そのため、山のサイクルが見え、林業の重要性を理解できる環境が整っている。

 7年目を迎えた現在の苦労や楽しみを聞いてみたところ、苦労は特に感じることもなく充実した日々を過ごせているという。
 楽しみについては、伐倒後の山に杉苗を植え下刈りをしたあと、雄大な山々に整然と植えられた杉を眺めること。
とても美しく感動を覚える。

 休みの日は、家でゆっくりくつろぐことが多い。時には買い物に行って4人の子供たちとゲームセンターで遊んだりすることで日々の疲れを癒している。

 今も続けている趣味は学生時代に熱中したバレーボール。地域のミニバレーボールーチームに所属し、県内各地のチームと試合を行っている。

 週2~3回は、仕事が終わったあとに練習に通って体を動かしている。

   

 

 これからの目標について、「指導員になれるくらいの技量を身につけ、後進の指導も行えるようになっていきたい」

 最後にこれから林業を目指す方へ、「自然の中でやる仕事なので、季節を感じることができるとても魅力的な仕事です」

 

 抜屋林業(有)では、「NPO法人 ひむか維森の会」のメンバーを代表し、今年度、林野庁の補助事業を活用しながら、「新しい林業」の経営モデルを構築するため、「油圧集材機・架線式グラップルシステム」の実証試験に取り組んでいる。