株式会社 中矢林業

地元五ヶ瀬町で起業してはや10年。これからの飛躍を目指す。


宮崎県五ヶ瀬町出身

中矢信一さん(51歳)



 11月に51歳を迎えた株式会社中矢林業初代社長の中矢信一さん。実家はおじいさんの代から続く農業と林業の兼業農家。
 信一さんは社会人を大阪の叔父の元で大工としてスタート。大阪堺市にて主にマンションの内装工事を行う造作大工として腕を磨く。当時はバブル期で社会全体が好景気。仕事もプライベートも楽しく過ごした記憶だけが残っているという。そんな青春時代を五ヶ瀬町とは対照的な大都市大阪で過ごす。
 

 一方で、長男として家を継がなければという想いを持っていたため、25歳の頃、地元の建築会社へUターン就職。翌年に結婚。着々と地元で生活のベースを築く。その後代々引き継ぐ山を守るための準備として、林業に役立つ技能を得られる企業でサラリーマン生活を送り、晴れて2010年6月に、小型重機を購入。従業員1人と共に林業事業をスタート。

 当初は個人所有林の間伐が主な業務。開業時期が宮崎の伐期に重なり、相場も良い時代。運にも恵まれたが、その後も信一さんの地道な営業により、地元で事業を拡大。着実に仕事を増やし10年を迎えた現在、10人の従業員を抱えるまでに成長。近年は山ごと購入する契約も増えたため、素材生産事業に加え、造林事業にも取り組んでいる。

 一代で会社を築いてきた信一さんにこれまでの苦労を聞いてみたが、特に苦労と感じたことがなく、「とにかく林業が楽しい」という言葉が返ってきました。夜が明ける前から仕事に出かけ、休日も時間が空くと一人で材を運んでいるそうで、仕事が趣味と言っても過言ではない信一さん。「この仕事はやるだけ成果となり、人に喜んでもらえることがとてもやり甲斐になる」という。唯一、自らが先頭に立って仕事をしてきた信一さんにとって、やはり人を管理することの難しさは常々感じているそうです。

 これからについて聞いて見ると、今後は民間の仕事に加え、国や自治体の仕事も視野に入れた経営を行なっていきたいという。そのためにも公的な資格取得などで会社の信用を高める努力をして、事業の拡大を目指していくそうです。

 会社とともに歩んだ10年、同時に3人の子供さんを育て上げ、あとを継いでもらうことも考えるようになったこの頃。日々楽しく前向きに仕事に取り組み、晩酌は地元の焼酎で心と体を癒す。そんな毎日を五ヶ瀬町の大自然と共に過ごしている。これからも今の幸せを大切に、社長業大いに楽しんでください!